ばぁちゃん

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今朝、母親から連絡がありました
父方の母、つまりばぁちゃんが亡くなったという事でした
ばぁちゃんは
今の実家に引っ越してから
十五年くらい一緒に住んでいました
僕は過去の記憶が薄いので
あまり覚えていないのですが
共働きの両親の代わりに
よく面倒を見てくれていました
僕がいくつぐらいの時だったか
それももう忘れましたが
腰を悪くして以来寝たきりになって
どんどん痴呆がひどくなって
5年くらい前に会った時は
もうすっかりボケにボケて
かろうじて僕の事はわかるようでしたが
一緒に行った弟の事は誰だか判っていないようでした
それがばぁちゃんに会った最後です
歌を歌うのが好きで
ハイカラで
気が強くて
やさしいけどきびしい
そんな人だったと思います
だけど僕の記憶の大半を占めているのは
ボケにボケて意味のわからないことをブツブツいって
ガリガリにやせこけて身動きをとれないでいる姿です
介護っていうのは
本当にきれいごとじゃない
食事や風呂、排泄物の始末
わけのわからない会話に付き合ったり
病院に連れて行くのも一苦労
それはもう本当に大変な事です
その頃の母は本当に疲れきっていました
しばらくして
僕たちのわがまま故に
ばぁちゃんは介護施設に入りました
そこから
僕が会いにいったのはたった1回です
臭いものに蓋をして逃げ出した僕に
涙を流す資格なんて無い
僕は何もしなかったのだから
仕事を終えて
今は自分の家にいます
複雑な事情があって
葬儀の手伝いをしに帰ることもできません
母から今日初めて聞きました
どうやら今、父は滋賀に住んでいるらしいです
そんな事も知らない
なんにも知らない
人の繋がりって何なんだろうと思います
家族って何だろうと思います
近すぎたら見えない
だけど
遠すぎたらもっと見えない
僕らはきっと不器用すぎたんだろう
僕らはきっと臆病すぎたんだろう
僕らはきっと距離をおきすぎたんだろう
いや
僕がそうだったんだろう
ばぁちゃん
いつも
あのベッドで
テレビみて眠ってテレビみてご飯たべて
何をみてたの?
大正に生まれて
貧困な時代を生きて
戦争を生きて
あなたが血を分けてくれた子は
こんなにも腐った人間になってしまいました
ごめんね
おいしいいなりずしの作り方と
おいしい漬け物の作り方
習っておけばよかった
どうか
安らかに
お眠りください
明日、会いにいくから
大好きだった花に囲まれて
眠っているばぁちゃんに

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